このページではカヤック初心者を対象に、乗り方・降り方・漕ぎ方の基本的なやり方を解説していきます。
ここでのカヤックとは、カヤックフィッシングを対象としていますので、その他のジャンルのカヤックの方は参考にならないかもしれませんのでご注意ください。
カヤックの選び方はこちらのページを参考にしてください。
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バス釣りに向いたカヤック・パドル・PFD(ライフジャケット)
カヤックを実際に選ぶ際に気にしなければならないのは、カヤックのタイプ、大きさ、重さ、価格です。 カヤックのタイプについては、シットオンカヤックとシットインカヤックがあり、バスフィッシングではどちらでも ...
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カヤックの乗り方
カヤックは乗り降りが一番転覆しやすいので、慎重に行いましょう。
カヤックの左右どちらかに体重がかかると一気に転覆します。
このことに注意し、できるだけカヤックの中心線に体重が掛かるように乗り込みます。
浅瀬やスロープから乗る場合は、カヤックをまたぎ、お尻から先に座って、続いて足を入れましょう。
乗り込んだ後にカヤックが沈み、底を擦って動かない場合は、体重をふわっと浮かしながら、パドルで地面を押して底がすらないところまで脱出します。
護岸などの、足場が少し高かったり、水深が深く足が付かなかっりするところでは、カヤックをまたげないので、カヤックを護岸などに平行に停留させて、足をできるだけカヤックの真中につき、そのまま慎重かつ素早くお尻を椅子に降ろすか、カヤックの横から先にお尻を降ろして、回転するように足をカヤックに入れます。
その際、岸と反対側にパドルを差し込んで、カヤックを岸とパドルで挟むようにして乗りこむと安定します。
カヤックの降り方
カヤックから降りるときは、乗る時と同様に転覆しやすいですので、端に体重をかけないように十分気を付けましょう。
砂浜などのシャローの場合は、少し勢いをつけて、陸に座礁するつもりで乗り上げると、カヤックごと上陸できるので、降りるときの転覆の心配はありません。
この方法は、インフレ―タブルカヤックや、岩など硬い地面の所ではやってはいけません。
護岸のような場所なら、カヤックを岸と平行につけ、岸をつかんで、できるだけ立ち上がらず、しゃがんだ状態で素早く岸に上がります。
そのときカヤックが、ぐらついて安定しない場合は、岸と逆側にパドルを差し込んで、岸とパドルでカヤックを固定すると安定します。
カヤックのパドルの持ち方
パドルにはフェザーパドルとアンフェザーパドルがあり、違いは以下になります。
フェザーパドルとは:左右のブレードの角度が違うパドル
アンフェザーパドルとは:左右のブレードの角度が同じパドル
パドルの詳しい説明はこちらのページをご覧ください
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パドルの持ち方について、簡単に説明していきます。
- フェザーパドルの場合:パドルのシャフトの真中を、頭上にもっていき、シャフトを握る手が直角の90度になるように持ってみましょう。
次にそのままパドルを体の前に降ろし、利き手のブレードの内側が手前側に、もう一方の手のブレードが天を向くように構えます。
利き手ではしっかりと持って、もう一方の手ではふわっと持つのがコツです。
- アンフェザーの場合: パドルのシャフトの真中を頭上にもっていき、シャフトを握る手が、直角の90度になるように持ってみましょう。次にそのままパドルを体の前に降ろし、手前側にブレードの内側を手前に向けて持ちます。
カヤックの漕ぎ方・回転のやり方・止まり方・バックの進み方
カヤックで前に進む漕ぎ方(フォワードストローク)
ここでは右利きの方の説明をしています。左利きの方は逆方向に読み替えてください。
フェザーパドル:カヤックの漕ぎ方で、前進する漕ぎ方をフォワードストロークといいます。
右手を伸ばして、右足のつま先あたりの水面にパドルのブレードを入れて、手首や肩に負担がかからないようにゆっくりと水を掻き、押し手は掌で押し出すように引きます。
腰のあたりまで引いたら、右手側のブレードを水面から出し、右手首を肩の高さまで上げて手前に捻ります。この時左手は伸びた状態になるようにします。
同じように左側も水を掻き、左右連続で行います。
アンフェザーパドル:できるだけ前方の水面に、どちらか側のバドルを水面に入れて、長くゆっくりのストロークで水を掻き、自分の横を過ぎたら徐々に力を抜いて、水面から引き抜きます。アンフェザーパドルではブレードの角度が同じのため、逆側のストロークに入る前に手首を返しません。
カヤックの回転のやり方(スイープストローク・リバースストローク
スイープストロークは曲がりたい方向にカヤックを少し傾けて、パドルを寝かし大きな半円をかくように前方から後方に向かって漕ぎます。
リバースストロークはこれの逆を行います。
カヤックの止まり方
左右のブレードの後ろ側を小刻みに水中に入れてその抵抗でブレーキをかけます。
スピードの出ている状態で、水中に深くパドルを差し込むと転覆する恐れがあるので注意してください。
カヤックで後ろに進む漕ぎ方(リバースストローク)
右後方に体をひねり、右のブレードの裏側で右後方の水を、なでるように前方に漕ぎます。
前方で水中からブレードを引き抜いたら、右手を手前に返し、左のブレードを後方の水を掻き、これを繰り返します。
沈した時の再乗艇のやり方
シットインカヤックの再乗艇
- 岸や浅瀬が近くにある場合
- カヤックから脱出。
- カヤックのサイドから、ひっくり返ったカヤックを起こす。
- パドルをコックピットにしまう。
- カヤックの後方からカヤックを押して浅瀬まで泳ぎ水を抜く
カヤックが転覆したら、まずニ―グリップを解き、膝を曲げてカヤックから脱出します。
パドルを手放さないように注意しながら、カヤックのサイドに回り、カヤックを押し上げてひっくり返ったカヤックを起こします。
コックピットにパドルをしまいカヤックの後方に回って岸や浅瀬まで運びます。岸や浅瀬の安全なところでカヤックに溜まった水を抜きます。
- 沖などで近くに浅瀬や岸がない場合
- カヤックから脱出。
- 前方か後方どちらかから、転覆したカヤックを持ち上げ水を抜く。
- カヤックのサイドから転覆したカヤックを起こす。
- パドルをカヤックに入れて、カヤックの後ろから飛び乗る。
- カヤックのコックピットまでずり上がり乗り込む。
- たまった水を排出する。
カヤックが転覆したら、まず膝を曲げてカヤックから脱出します。
パドルを手放さないように注意しながら、 転覆したカヤックの前か後ろに回り、カヤックを持ち上げて、できるだけ水を抜きます。
カヤックのサイドに回りカヤックを起こします。
できるだけ水が入らないように、勢いよく一度で起こすように心がけます。
パドルをカヤックに入れ、カヤックの後ろに回り、股を開いて後ろから飛び乗ります。
馬乗りのまま前方まで移動し、コックピットまで移動したらお尻を降ろし、足を入れて乗り込みます。
水の入ったカヤックは不安定ですので、ビジルポンプやスポンジなど水を掻きだす道具を用意しておいた方が安心です。
シットオンカヤックの再乗艇
- 岸や浅瀬が近くにある場合
- カヤックのサイドに回り、ひっくり返ったカヤックを起こす。
- パドルをカヤックに置いて、カヤックを後方から押して岸まで泳ぐ。
転覆したらパドルを手放さないように注意しながら、カヤックのサイドに回りカヤックを押し上げてひっくり返ったカヤックを起こします。カヤックにパドルを置いてカヤックの後方に回って岸や浅瀬まで運びます。
- 沖などで近くに浅瀬や岸がない場合
- カヤックのサイドからひっくり返ったカヤックを戻す。
- カヤックのサイドから腹ばいで乗りあがる。(後方から跳び箱の要領で飛び乗る。)
- カヤックの両サイドをつかみ、カヤックと体を平行になるようにずらす。(コックピットまでずり上がる)
- 上体を立て直しコックピットに座る。
パドルを手放さないように気を付けながら、カヤックのサイドに回り込み、カヤックを押し上げて、ひっくり返ったカヤックを元に戻します。
カヤックのサイドからコックピットあたりに腹ばいで乗りあがり、カヤック前方の両サイドをつかみ、体を滑らすようにカヤックと平行になるようにします。
横から乗る場合以外では、後方から股を開き、カヤックに跳び箱のように飛び乗ります。
上体を立て直しながらコックピットに座ります。
初めてカヤックを乗るときは
はじめてカヤックを乗るときは流れが速い川や、海や琵琶湖のような大きな湖で風で荒れてしまっている時などは避けましょう。
最初は釣りをせずに、パドリングの練習だけでもいいと思います。その時は、岸まで泳いで行ける距離で練習し、もし水に落ちてしまっても、慌てずパドルを流出しないように気を付けて、PFDの浮力を生かしながら岸までカヤックを押して再乗艇しましょう。
何事も慎重に慌てずやればそれほど難しいことではありませんので、まずはカヤックに乗る楽しみを存分に味わってください。