新しいスコーピオン

スコーピオンと言えば、シマノのバンタムブランドから枝分かれした、バスフィッシング伝統のブランドです。
長らくバス釣りをしている人なら、この名称に特別な想いがある人も多いのではないでしょうか。
スコーピオンは、モデルサイクルがずっと行われているリールに対して、ロッドは2010年の「スコーピオンXT」以来、長らくニューモデルがありませんでした。
しかし、2019年にバスロッドから、魚種を選ばないフリースタイルロッドとして、「19スコーピオン」が復活をとげ、ワールドシャウラの弟分として人気を博したのは記憶に新しいです。
19スコーピオンロッドは、オールSiCリングのガイドに加え、ハイパワーX、スパイラルXなど、ロッドを強化するシマノ独自の技術特性が施されており、さらにフラッグシップのロッドであった通称「青シャウラ」と同じブランクが使われているなど、ハイスペックでそれなりに高級なロッドでした。
それに継ぐ、スコーピオンブランド、「スコーピオンXV」は、入門用のフリースタイルロッドとして発売され、子供や女性にもマッチしたショートロッドがあるなど、今や珍しいラインナップが最大の特徴ではないでしょうか。
ここでは、カヤックに相性がよさそうな、ライトリグを操れるややショートのスピニング「2601F- 2」を購入したのでレビューしていきます。
■シマノ「スコーピオンXV2601f-2」のカヤック的ここがいい!
- 基本性能がよく価格が安い。コスパがいい
- カヤックであつかうのに丁度いいレングス
- センターカット2ピースなので持ち運びに便利
- 魚をかけてからのパワーはスペック以上
■シマノ「スコーピオンXV2601f-2」のカヤック的ここがいまいち^^;
- グリップのEVAが安っぽい
- グリップエンドにエンブレムがない
- 感度はそれなり
- ガイドリングがアルコナイト・oリング ←更新
「スコーピオンXV 2601F-2」の紹介と手にした感想

リールシートは、ブラックですが、光沢がありとてもきれいです。

ツーフィンガーではブランクタッチは厳しいです。そもそもあまり感度を研ぎ澄ます細かい釣りに向いていないのかもしれません。

ブランクは、ワールドシャウラや、19スコーピオンのような明るめの赤色ではなく、あずき色のような伝統のスコーピオンレッドです。
光に当たると鮮やかな赤色にひかり、「ハイパーX」のラッピングのエックス模様がかっこいいです。

グリップは、今では珍しいストレートグリップです。「ScorpionXV」のネームが入っています。
素材はEVAで、目が粗く少し安っぽい感じもします。
また、ロッドエンドにエンブレムがないのも同様安っぽさを感じます。
ガイドについてはSiCではなく、ロッドについていたラベルや、シマノのWEBサイトにも記載はありませんでしたので不明です。
スコーピオンXVのガイドについて、シマノに問い合わせてみました!
株式会社シマノ 釣具お客様相談窓口の回答
本製品のガイドに関しまして、 トップガイドがステン/アルコナイト、その他のガイドはステン/oリングを搭載しております。 最も抵抗の掛かるトップガイドがアルコナイトリングのためPEラインのご使用も可能でございます。 ご安心のうえご使用ください。
いちばん負荷のかかるトップガイドは、ステンレスフレームで「アルコナイトリング」が使用されており、その他のガイドは、ハードガイドリングの一種である「 oリング」 が使用されているそうです。
なんとなく、SiCリングでなければと妄信しがちではありますが、ロッドの価格を考えると妥当で、メーカーも「安心してPEラインも使用してください」とのことなので、あまり気にする必要はないのかもしれません。
ちなみに、スコーピオンXVよりワンランク値段の高いゾディアスは、負担のかかるトップガイドリングがSiCリングで、その他のガイドリングはアルコナイトが使用されています。
他には、竿袋にショルダーベルトが付いていて、自転車、バイク、電車で釣りに行くひとには最適です。
■「スコーピオンXV 2601F-2」スペック
- 長さ:6フィート(183㎝)
- テーパー:ファスト
- 重さ:97g
- ルアーウエイト:4-15g
- ライン:ナイロン4-8lb PE1.2号
- グリップ長:190mm
- 材質:カーボン93% グラス7%
- 仕舞寸法:94cm
- 継数:2本
- 定価:¥14,700

スコーピオンやワールドシャウラの番手は、他のシマノのバスロッドと表記が別で、上記の表のように記載されています。
カヤックに乗って「スコーピオンXV 2601F-2」実釣インプレ!

短めの6フィートのレングスは、キャストの難しいカヤックフィッシングにおいても、ビシバシ思い通りに決まり、使っていてとても気持ちいいです。
短いレングスの利点は他にも、穂先に絡まった糸をほどく場合や、何らかのトラブルでガイドに糸を通しなおさなければならない場合などでも、カヤック上で何ら問題なく行うことができます。
使用感はパキパキのロッドではなく、少しもっちりとした使用感ですが、キャスト時に穂先がブルブルとブレるような感じはなくビシッと決まります。
ワ―ミング時の感度はそれなりですが、何をしているかわからないという感じはなく、必要十分な感度は兼ね備えています。
ガイドは現在のバスロッドと比べると大きめで、キャスト時は気持ちよくラインが抜けていきます。
PEでの使用も、リーダーとの結び目の抜けが良さそうです。
シャッドなどの巻きの釣りは、もっちりしたロッドの特性と相性がよく、大きめのガイドおかげでよく飛びます。
使用したルアーで、「ゲイリーヤマモト・ファットヤマセンコー3インチ」(5.5g)のノーシンカーはドンピシャで、飛距離、狙いなど思い通りにキャストすることができました。
その他も「ズーム・スワンプクローラー」のシンカー0.9gのネコリグや、「ジャッカル・ソウルシャッド58」(5g)なども思い通りにキャストできました。
ルアーウェイトの上限ぎりぎりの「レベルミノー」(14g)でも、巻き抵抗やラインの細さなど気になる所はありますが、キャストは普通にできるので、PEセッティングなら実用レベルではないかと思います。

この日はあまり大きな魚をかけれませんでしたが、数匹釣りあげて入魂完了です。
魚をかけた感想は、素直に曲がり、パワフルで余裕のある味付けです。
スコーピオンXVはどのような人向けか
シマノでレジェンドの村田基さんが、制作に関わっているスコーピオンXVについて、彼のYoutubeチャンネル「爆釣チャンネル」の中で、「スコーピオンXVは、スコーピオンXTを彷彿とさせる、(中略)そのクラスのロッドだと思っていただいて結構ですよ」と説明されていました。
スコーピオンXTは30,000円ぐらいのロッドでしたので、技術の進化と共に、いい物が安く購入できるのはうれしい限りです。
スコーピオンXVの価格帯で、他に候補になるシマノのバスロッドは、少し値段は高くなりますが、ゾディアスがあります。
ゾディアスはバス専用ロッドで、アメリカやその他の国でも売られている世界戦略的ロッドですので、低価格帯のロッドでは考えられないほど、専用ロッドがリリースされています。
ゾディアスよりワンランク価格帯が上のエクスプライドやポイズンシリーズと比較して、全体的にもっちりとしているゾディアスですが、それでも、ガイドなどがバスフィッシング専用に設計されているので、スコーピオンXVより高感度なのは間違いないでしょう。
ただスコーピオンXVでも必要十分の感度はありますし、また、大き目なガイドは巻物には相性がいいので、決め手は、欲しい番手や、フィーリングや見た目などの好みになってくると思います。
また、ゾディアスの旧モデルには、ショートレングスのベイトロッドはありましたが、残念ながらスピニングはありませんし、現行モデルは両方ありませんので、ショートロッドがあるスコーピオンXVは貴重な存在です。
カヤックフィッシングなどで、ショートロッドを探している人なら値段以上の価値は、十分あると思います。
さらに、ベイトのショートロッドなら、スコーピオン伝統の番手1581F-2があるので、スピニングとセットでそろえることもできます。
ショートロッド以外でも、バーサタイルど真ん中の1652R-2もあるので、長すぎず短すぎずのレングスがいい人は候補にあがるのではないでしょうか。
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